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創業融資の流れは?日本政策金融公庫からスムーズに融資を受けるためのポイント

  • 執筆者の写真: 船橋創業融資相談オフィス
    船橋創業融資相談オフィス
  • 4月17日
  • 読了時間: 13分

更新日:4月30日



これから起業を考えている方にとって、資金調達の第一歩として注目されているのが、日本政策金融公庫の「創業融資」です。民間の金融機関に比べて、低金利で保証人が不要な場合もあるなど、起業家にとって利用しやすい制度として広く知られています。

しかし実際には、「どんな流れで申し込めばいいのか分からない」「事業計画書はどこまで作り込むべき?」「面談で何を聞かれるの?」といった具体的な疑問や不安を抱える方が多いのも事実です。


本記事では、創業融資の申し込みから融資実行までの流れをわかりやすく解説し、審査通過のポイントや注意点についても具体的にご紹介します。あわせて、融資成功率を高めるために専門家のサポートを活用する方法についても解説しますので、「とにかくスムーズに融資を通したい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。


初めての起業でも安心して創業融資に取り組めるようになる情報が満載です。読み終えた頃には、ご自身の事業にとって必要な準備が何かが明確になり、次の一歩を自信をもって踏み出せる状態になっているはずです。



日本政策金融公庫の創業融資とは

創業間もない事業者や、これから起業しようとする方にとって、民間金融機関からの融資はハードルが高いと感じることも少なくありません。そうした中で、国が100%出資する政策金融機関である日本政策金融公庫(略称:日本公庫)が提供する「新規開業・スタートアップ支援資金」は、非常に心強い選択肢となります。


創業融資の目的と特徴

日本政策金融公庫の創業融資は、新規開業者や開業からおおむね7年以内の中小企業・個人事業主を対象に、無担保・無保証人での融資が可能な制度です。これは、起業家のチャレンジを資金面から支える目的で設けられており、次のような特徴があります。


  • 比較的低い固定金利で融資が受けられる

  • 返済期間が長く設定可能

  • 保証協会を通さないため、手続きがシンプル


特に、民間金融機関では「事業実績」が求められることが多い中、日本公庫は事業実績がなくても、しっかりとした事業計画があれば審査対象となる点が大きなメリットです。


対象となるのはどんな人?

日本政策金融公庫の創業融資は、以下のような方を対象としています。

  • これから個人事業主として開業する方

  • 法人設立して間もない方

  • 過去に事業経験がないが、明確なビジネスプランを持つ方

  • フリーランスや副業から本格的に独立したいと考えている方


創業融資は、創業時の資金不足という大きな壁を乗り越える手段のひとつであり、正しく制度を理解し活用することが成功のカギとなります。


次に、実際にどのような流れで創業融資を申し込めばよいのか、具体的なステップを解説していきます。



日本政策金融公庫の創業融資を受けるまでの基本的な流れ

日本政策金融公庫の創業融資を受けるには、計画的な準備と正しい手続きの理解が不可欠です。ここでは、申請から融資実行までの基本的な流れを4つのステップに分けてご紹介します。


ステップ1:事前準備を整える

創業融資の成否を左右するのが、事業計画書と自己資金の準備です。以下の2点を特に意識しましょう。

  • 自己資金の把握と証明

    • 創業融資では、自己資金が融資希望額の2/3以上あることが望ましいとされています。

    • 預金通帳の写しなどで、「計画的に貯めてきた」ことを証明できると信頼度が上がります。


  • 信頼性の高い事業計画書の作成

    • 売上見込みや経費の根拠を明示し、実現可能性のある収支計画を示すことが重要です。

    • あわせて、「なぜこの事業を始めたいのか」「どのように集客・販売するのか」などの戦略を盛り込みましょう。


ステップ2:日本政策金融公庫への相談・申込

事前相談(任意)

まずは最寄りの日本公庫支店やWeb相談を活用し、事業の概要や資金ニーズについて相談することが可能です。この段階で書類の不備や内容の改善点を把握できれば、正式申込の精度を高められます。


申込書類の提出

提出が必要な主な書類は以下の通りです。

  • 創業計画書(日本公庫のフォーマットあり)

  • 借入申込書

  • 自己資金の証明資料(預金通帳など)

  • 開業届や法人登記簿謄本(すでに開業している場合)

  • 見積書(設備投資がある場合)


書類の内容に不備があると、審査が遅れたり却下されたりするリスクがあるため、事前に丁寧にチェックしておきましょう。


ステップ3:面談・審査

書類提出後、担当者との面談(ヒアリング)が行われます。ここでは、書類の補足説明やビジネスに対する姿勢、知識などがチェックされます


面談でよくある質問例

  • なぜこの事業を始める(始めた)のか

  • どのように売上を上げる予定か

  • 黒字の転換する目安の時期はいつか?

  • 想定リスクとその対策は?

  • 借入金の返済方法と収支のバランス


審査担当者は、「この人にお金を貸して返ってくるか?」を見ています。そのため、経営者としての責任感・実現可能性・準備状況を冷静に伝えることが大切です。


審査期間はおおむね2〜3週間程度が一般的ですが、提出書類の内容や繁忙期によっては1か月以上かかることもあります。


ステップ4:融資決定・実行

審査が通ると、借入金額・金利・返済期間が記載された契約書への署名を行い、融資実行(入金)へと進みます。

  • 契約から融資実行までは1週間〜10日程度が目安。

  • 入金後は、計画通りに資金を使用し、必要に応じて領収書や使途報告を保管・整理しておきましょう。


このように、創業融資の流れは明確ですが、各ステップでの準備不足が融資失敗の原因になることもあります。次の章では、審査通過の確率を高めるための具体的なポイントをご紹介します。



創業融資を成功させるためのポイント

日本政策金融公庫の創業融資を確実に受けるためには、単に必要書類をそろえるだけでは不十分です。審査官に“この人なら返済できる”と信頼してもらえるような計画と準備が不可欠です。このセクションでは、創業融資を成功に導くための3つの具体的なポイントをご紹介します。


信頼性の高い事業計画書を作るコツ

事業計画書は、融資審査において最も重要な書類のひとつです。どれだけ真剣に事業を考えているか、実現可能性があるかを客観的に示す資料として審査官に評価されます。


ポイント1:売上予測は根拠を明確に

「月に〇〇人が来店し、客単価が〇〇円なら…」というように、計算の根拠が分かる数値を使って売上を算出することが重要です。


例)

「1年目の売上:1,000万円」だけの記載はNG

「月間顧客数×客単価=月商、×12ヶ月で年商」などの式を明記


ポイント2:経費は実態に合わせてリアルに

設備投資・仕入れ・人件費・広告費など、具体的な支出項目をリストアップし、現実的な見積もりを用いることが必要です。見積書の添付があればより説得力が増します。


ポイント3:ビジネスの「勝ち筋」を説明する

競合との違いや市場でのニーズ、強みとなる要素(立地・経験・仕組みなど)を整理し、自社がなぜ顧客に選ばれるのかを明示しましょう。

「どこで」「誰に」「何を」「どう売るか」 の4点が明確であることが大切です。


面談で失敗しないための準備

面談では、事業計画書の内容をもとにヒアリングが行われます。ここでの対応次第で、書類だけでは見えない「人となり」や「信頼性」が判断されます


よくある質問と回答の準備

  • なぜこの事業をやるのか?

  • 今後の収支見込みは?

  • 万一売上が立たないときの対策は?

  • 生活費と返済は両立できるのか?


これらの質問には、事前に簡潔な回答を準備しておくことが重要です。答えに詰まったり、矛盾した説明になってしまうと、「計画に無理がある」と判断される可能性があります。


面談は「プレゼン」ではなく、「対話」です。相手の意図を汲み取りつつ、誠実で現実的な説明を心がけましょう。




日本政策金融公庫の創業融資のメリット・デメリット

日本政策金融公庫の創業融資は、これから起業する方や開業間もない方にとって非常に心強い資金調達手段ですが、すべての方にとって無条件に最適というわけではありません。ここでは、公庫融資のメリットとデメリットを整理し、自分の状況に合っているかどうかを冷静に判断できるようにしましょう。


メリット

低金利で借りられる

日本政策金融公庫の融資金利は、民間金融機関よりも低く設定されている場合が多く、固定金利での借入も可能です。低金利=返済総額の軽減につながり、長期的な資金計画が立てやすくなります。


保証人・担保が不要な制度もある

保証人・担保なしで融資が可能です。創業初期は担保にできる資産や保証人が用意できないことも多いため、これは非常に大きな利点です。リスクを最小限に抑えながらチャレンジできる制度設計となっています。


開業前でも融資相談ができる

多くの金融機関は、事業開始後の実績がないと融資が難しいのが一般的ですが、日本公庫では開業前から相談・申請が可能です。つまり、「お金がないから起業できない」状況を打開する第一歩として利用できます。


審査結果がわかりやすく、改善のヒントになる

万一審査に通らなかった場合でも、担当者から審査結果のフィードバックが得られることが多く、「どこを改善すれば次回通りやすくなるか」のヒントを得られます。



デメリット

融資実行までに時間がかかる

申込から融資実行までは通常1か月前後かかります。特に、提出書類の不備や面談スケジュールの調整でさらに遅れる可能性もあるため、資金に余裕をもって申請する必要があります。


書類作成・面談対策に手間がかかる

事業計画書や資金繰り表、自己資金証明など、提出すべき書類が多く、内容の完成度も問われます。また、面談では事業に対する理解や熱意をしっかりと伝える必要があり、事前準備に時間と労力がかかります。準備不足のまま申請してしまうと、審査に落ちるリスクが高まります。


必ずしも満額が借りられるとは限らない

申込時に希望した融資金額のうち、全額が認められるとは限りません。事業計画の内容や自己資金の比率、返済能力などを総合的に判断して、一部減額されるケースもあります。


開業後の資金使途には注意が必要

融資実行後、事前に申請した使途と異なる使い方をすると、後の調査で問題になる可能性があります。例えば、設備投資名目で借りたお金を広告費や生活費に使うと、信頼を損ない、今後の追加融資に影響が出ることもあります。


判断ポイントまとめ

項目

メリット

デメリット

金利

低金利・固定型あり

-

審査

実績不要で申請可能

書類と面談の対策が必要

担保・保証人

不要な制度あり

一定の条件を満たす必要あり

スピード

開業前から相談可能

実行まで時間がかかる


よくある質問(FAQ)

創業融資を検討するにあたって、多くの方が抱く共通の疑問や不安をQ&A形式でまとめました。事前に正確な知識を持っておくことで、申請時のトラブルや不安を減らすことができます。


Q1. 創業融資は本当に無担保・無保証人で受けられるのですか?

はい、一定の条件を満たせば、無担保・無保証人での融資が可能です。ただし、すべてのケースで必ず適用されるとは限らないため、事前相談で確認することをおすすめします。


Q2. 自己資金が少なくても創業融資は受けられますか?

自己資金が少なくても融資を受けられる可能性はありますが、審査では不利になることが多いです。自己資金は「資金管理能力」や「事業に対する本気度」を示すものとされ、一般的には希望融資額の3割程度の自己資金が求められる傾向にあります。預金通帳の入出金履歴から、計画的に貯めた実績があることを示すことが大切です。


Q3. 法人設立前でも相談や申請はできますか?

はい、法人設立前や個人事業主としての開業前でも、融資相談や申請は可能です。ただしその場合でも、以下の準備が求められます。「まだ開業していないから申請できない」と思い込まず、早めに公庫に相談することをおすすめします。


  • 具体的な開業予定日や事業内容が固まっていること

  • 創業計画書の完成度が高いこと

  • 開業に必要な見積書や準備資料がそろっていること


Q4. 面談で失敗する原因にはどんなものがありますか?

創業融資の審査で多い否決理由のひとつが、面談での準備不足や曖昧な受け答えです。以下のような点があると、審査担当者からの信頼を得るのが難しくなります。

  • 売上や経費の根拠が不明確

  • 返済能力に対する具体的な説明ができない

  • なぜこの事業をやるのかが伝わらない

  • 自己資金の出どころが不自然


Q5. 落ちたら再申請はできますか?

はい、審査に通らなかった場合でも再申請は可能です。ただし、同じ内容で繰り返しても結果が変わらない可能性が高いため、原因の特定と改善が必要です。


日本政策金融公庫の担当者からは、否決理由についてある程度のフィードバックが得られることもあります。その情報をもとに、事業計画書や自己資金の見直し、面談対策の強化などを行うことで、次回の審査通過率を高めることができます。




専門家に依頼するメリットと活用法

創業融資の申請は、初めての方にとって非常にハードルが高いものです。「自分で調べながらやってみたけれど不安が残る」「事業計画書の作成がうまく進まない」など、つまずくポイントも多く存在します。


そこでおすすめしたいのが、税理士や融資サポートに詳しい専門家への相談・依頼です。ここでは、専門家を活用するメリットと、依頼すべきタイミングをご紹介します。


専門家に依頼するメリット

審査に強い「通る事業計画書」を作成できる

日本政策金融公庫の審査では、事業計画書の完成度と信頼性が合否を左右します。専門家は、過去の審査傾向やポイントを熟知しており、審査官の視点に立ったアドバイスが可能です。「売上予測があいまい」「経費が抜けている」といった不備を防ぎ、説得力ある計画に仕上げてもらえます。


面談対策までトータルでサポート

初めての方がつまずきやすい面談対策も、専門家なら想定質問に対する答え方、面談時の話し方などを個別に指導できます。緊張してもうまく伝えられるよう、事前にロールプレイを行うことも可能です。


書類の不備や見落としを防げる

融資申請では、些細な書類のミスが審査の遅延や否決の原因になることも。専門家に依頼することで、必要書類のチェックリスト管理や不備の確認が行き届き、安心して申請できます。


融資成功率が大きく向上する

実際に、専門家を通して申請した場合のほうが、融資成功率が高い傾向があります。それは、申請内容に「第三者の客観的な目」が入ることで、金融機関にとっての信頼性が高まるためです。特に自己資金が少ない方や、初めての起業で実績がない方ほど、専門家の支援が大きな武器になります。


無料相談をうまく活用しよう

いきなり正式依頼するのが不安な方は、まずは無料相談を受けてみるのがオススメです。税理士や創業支援の専門家による無料相談では、今の準備状況や問題点を客観的に評価してもらえるため、「何から手をつけていいか分からない」という方にとって非常に有益です。


創業融資成功の鍵は“事前準備”と“専門的サポート”

日本政策金融公庫の創業融資は、これから起業する方にとって非常に心強い資金調達手段です。特に、自己資金が限られている方や、民間金融機関では審査が難しいケースにおいても利用できる点は大きな魅力です。


ただし、審査に通過するためには、次のようなポイントを押さえておく必要があります。


  • 自己資金の準備と資金管理の証明

  • 数字に裏付けされた信頼性の高い事業計画書の作成

  • 日本公庫が重視する視点を踏まえた面談対策

  • 融資制度や書類の正確な理解と準備


そして、これらの対策を独力で進めることに不安がある場合は、ぜひ無料相談をご活用ください。

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(c) 千葉創業融資相談オフィス 運営:山野淳一税理士事務所

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